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イ持続動注療法は,急性膵炎ガイドラインにおいてオプション扱いで推奨 度Cとされていること,持続動注療法の本来の適応は壊死性膵炎であると ころ本件の急性膵炎は壊死性膵炎ではなかったこと,12月17日ころの 時点で,本件の急性膵炎の重症度スコアも1点で中等症の膵炎であったこ とからすると,担当医師において,同日ころに持続動注療法を実施すべき 義務があったとはいえない。
ウ上記イ指摘の点,本件においても12月20日から持続動注療法が実施 されたことからすると,同月17日から持続動注療法が実施されたとして も,本件死亡が避けられたとはいえない。
(5) 上記3(5)(CHDF,SDDの実施義務違反等)について
ア12月25日ころの段階では画像,症状,検査の各所見とも落ち着いて きていたこと,CHDF及びSDDは,急性膵炎ガイドラインにおいてオ プション扱いで推奨度Cとされていることからすれば,担当医師において, 同日ころCHDF,SDDを実施すべきであったとはいえない。
イなお,担当医師は,12月28日にCHDFの適応と判断したが,Cか ら拒否され,実施することができなかった。
また,Cは経鼻胃管に強い抵 抗があったことからしても,CがSDDを受け入れたとはいえない。
した がって,Cの同意が得られる見込みがなかったという点からしても,担当 医師に上記アの義務があったとはいえない。
ウ上記ア指摘の点からすれば,12月25日ころからCHDF,SDDを 実施したとしても,本件死亡が避けられたとはいえない。
(6) 上記3(6)(外科手術の実施義務違反等)について
ア12月28日までの造影CT上壊死性膵炎であるとはいえないこと,白 血球数上昇も胆嚢炎や膵膿瘍が原因である可能性が考えられることなどか らすると,感染性膵壊死が疑われるとはいえず,また,FNAには血管穿 刺などの合併症があるから,担当医師において,同日ころFNAを実施す べきであったとはいえない。
イ担当医師において,12月28日ころ外科手術を実施すべき義務があっ たとはいえない。
その理由は以下のとおりである。
(ア) 本件の急性膵炎は,壊死性膵炎ないし感染性膵壊死ではなかった。
また,12月28日の時点で,限局化した膿瘍,嚢胞,出血などの外科 的な手術のターゲットが明確になってはいなかった。
本件は,膵膿瘍や 膵仮性嚢胞に対し,まず経皮的ドレナージを実施すべきケースであって, 手術適応はなかった。
(イ) 外科手術の予後は悪いから,仮にそれが必要とされる場合でも,で きるだけ保存的集中治療により全身状態の安定を図った上で慎重に実施 すべきものとされている。
ウ上記イ(ア),(イ)の各点からして,外科手術を実施すれば本件死亡を避 けられたとはいえない。
(7) 上記3(7)(絶飲食管理義務違反)について
否認し,又は争う。
Cに対しては,12月13日以降絶飲食で管理しており,同月25日も同 様である。
同日の食事箋は,CT検査があったため,習慣的に記載された可 能性がある。
(8) 上記3(8)(胃液吸引義務違反)について
否認し,又は争う。
担当医師において,1月9日当時,胃液誤嚥を予見することはできなかっ た。
また,Cはチューブ挿入を拒否していたため,事前の胃液吸引,胃管チ ューブ挿入はできなかった。
胃液誤嚥に対する対策としては,誤嚥した際に 迅速に対応できる体制を取っていれば十分であったところ,本件でも現に5 分程度で迅速に対応した。
なお,口腔内吸引は状況により適時行っていた。
(9) 上記3(9)(損害)について
否認し,又は争う。